メールマガジン
消費税
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□□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□
発行元:公益社団法人 杉並青色申告会 2017/3/31 No204 読者数:3,277人
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みなさんこんにちは。
もう所得税・消費税の確定申告はお済みでしょうか?
まだ済んでいない方はなるべくお早めに済ませましょう。
尚、申告・納付の期限は所得税3月15日、消費税3月31日となっております。
振り替え納税の手続きをしている方は、引き落とし日が所得税4月20日(木)、
消費税4月25日(火)となっております。残高の確認をしておきましょう。
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┃■身近な税の話「消費税」 ┃
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平成28年の課税売上が初めて1,000万円を超えた場合には平成30年から消費税
の申告をしなくてはいけません。「消費税課税事業者届出書」を管轄の税務
署に提出しましょう。
また、簡易課税を選択する場合には平成29年中に「消費税簡易課税選択届出書」
を提出しないといけないのでお気を付けください。消費税の届出に関して詳し
くはメールマガジンNo.199をご覧ください。
さて、今回は消費税のかからない非課税取引についてのお話です。
消費税の納付税額の計算は、預かった消費税から支払った消費税を控除して計
算します。
納付税額=預かった消費税(売上等に含まれる消費税)-支払った消費税(経費
等に含まれる消費税)
そもそも消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課
税の対象としています。しかし、これらの取引であっても、
■消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないもの
■社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。
非課税取引については消費税の計算上預かった消費税にも支払った消費税にも
含めません。非課税取引は法律上限定列挙されています。
さて、その中で個人事業主である皆さんに特に関わりの深いと思われる以下の
4点をご説明いたします。
【1】住宅の貸付け
【2】土地の譲渡及び貸付(借地権などの土地の上に存する権利を含む)の譲渡
及び貸付け
【3】商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
【4】社会保険医療の給付等
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【1】住宅の貸付について
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住宅(人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分)
の貸付で、その貸付に係る契約において人の居住の用に供することが明らかに
されているものについては非課税取引となります。
一戸建ての住宅のほか、マンション、アパート、社宅、寮、貸間等が含まれま
す。
なお、貸付のみが非課税とされているので、不動産業者が受け取る仲介手数料
や住宅の譲渡といった役務提供は課税取引となります。礼金や更新料も住宅の
貸付にかかるものは非課税です。店舗・事務所等に係る賃貸料、礼金、更新料
等は課税となります。
しかし、貸付期間が1ヶ月未満の場合や下宿等旅館業にかかるものは課税取引
となります。年間の家賃収入が1,000万円を超えても、住宅の貸付のみの場合、
消費税の申告は必要ないということになります。
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【2】土地(借地権などの土地の上に存する権利を含む)の譲渡及び貸付けにつ
いて
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土地の譲渡及び貸付けは消費に負担を求める税としての性格から課税の対象と
してなじまないため非課税取引とされています。土地に関してはいくら使用を
しても消費をするものではないということです。
ただし、1か月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地
が使用される場合は、非課税取引には当たりません。消費税が課税されます。
また、土地購入にあたり、不動産会社に支払う仲介手数料や、司法書士に支払
う登記手数料には消費税は課税されます。
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【3】商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
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物品切手等とは、商品券、ビール券、ギフト券、旅行券、テレホンカード等の
いわゆるプリペイドカードをいいます。
これら物品切手等の譲渡は、社会政策的配慮から非課税とされています。
それは、商品券などの譲渡に課税すると、最終的に提供を受ける商品やサービ
スが同じ一つのものであるにもかかわらず、二重に課税されてしまうからです。
したがって、このような二重課税を避けるために商品券などの譲渡には課税し
ないことになっています。ただし、チケット業者が販売する郵便切手、印紙、
証紙は非課税取引とはなりません。
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【4】社会保険医療の給付等です。
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こちらも社会政策的配慮から非課税となります。
健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象と
なる医療などは非課税となります。
ただし、美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場
合は非課税取引に当たりません。
いわゆる保険がきくものが非課税、保険のきかない自由診療等は課税取引とな
ります。医院を営んでいる方は消費税の課税事業者に該当するかの判定のため
にも課税と非課税取引にわけて売り上げを把握する必要があります。
今回ご説明する非課税項目の説明は以上で終わりですが、最後に非課税と間違
えやすい不課税取引について簡単にご説明いたします。
そもそも、消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の
譲渡や貸付け、役務の提供が課税の対象となります。したがって、次のような
取引は、課税の対象とならず、不課税取引とされます。
1)給与・賃金:雇用契約に基づく労働の対価、「事業」として行う資産の譲
渡等の対価に当たらないため
2)寄附金、祝金、見舞金、補助金等:一般的に対価を求めて支払われるもの
ではないため
3)無償による試供品や見本品の提供:対価の支払いがないため
4)保険金や共済金:資産の譲渡等の対価といえないため
5)株式の配当金やその他の出資分配金:株主や出資者の地位に基づいて支払
われるものであるため
6)心身又は資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金:対
価として支払われるものではないため
しかし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価性があり、課税の
対象となります。
イ)損害を受けた棚卸資産である製品が加害者に引き渡される場合で、そ
の資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用でき
る場合
ロ)無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料
に相当する場合
ハ)事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料
に相当する場合
非課税取引と不課税取引では、課税売上割合の計算においてその取扱いが異な
ります。課税売上割合は、分母を総売上高(課税取引、非課税取引及び免税取
引の合計額)とし、分子を課税売上高(課税取引及び免税取引の合計額)とした
ときの割合です。
非課税取引は、原則として分母にだけ算入します。
これに対して、不課税取引は、そもそも消費税の適用の対象にならない取引で
すから、分母にも分子にも算入しません。
少し細かい話になってしまいましたが、非課税取引についてご理解いただけた
でしょうか。
個人事業主の皆さんのお役に少しでも役に立つ情報となれたら幸いです。
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