メールマガジン

19年分所得税確定申告の誤りやすい点

超簡単!税情報 2008年3月5日発行(第151号)

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┃■身近な税の話   「19年分所得税確定申告の誤りやすい点」          ┃
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火災保険と地震保険について
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既にこのメルマガでもご説明し、ご承知の方も多いと思いますが、
平成19年度税制改正において損害保険料控除廃止され、
地震保険料控除が創設されました。(ただし、経過措置の
平成18年12月31日までに締結した長期損害保険は継続)
そのことについて損保会社、代理店でも顧客に上記を周知しています。

そこで間違いやすい点として、上記の改正は「確定申告書」の「控除」の改正
であり、「事業所得」や「不動産所得」の「必要経費」の改正ではありません。
事業や不動産貸付をなさっている方で、
今年から掛け捨て等の火災保険が必要経費にならないと勘違いしている方が
多くいらっしゃいました。
数年分を前払いで払っている方は、送られてくる控除証明書の金額を頼りに
損害保険料の必要経費を計上していたケースもあったかと思います。
払った年の領収書や代理店に確認して、必要経費の計上漏れのないようにして
下さい。

なお、満期返戻金がある長期損害保険について必要経費とする場合は、
従前どおり積立部分は必要経費にできず、掛け捨ての保険料部分だけが
必要経費です。

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住宅借入金等特別控除について
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国から地方への税源移譲に伴い、所得税率と住民税率が変更されました。
それに伴い、旧税率の所得税だと住宅借入金等控除が引き切れるが、新税率だと
引ききれない人がでてきました。
住宅借入金等特別控除は所得税から税額控除し、住民税からは控除しません。
そのために上記税源移譲により税額が増える方がいます。その方々に配慮するた
めに所得税で引ききれなかった住宅借入金等特別控除を「新たな申告書」を
提出することにより、住民税から差し引くことができます。

所得税確定申告書を提出する方は、「平成20年度特別区民税・都民税住宅借入金
等特別控除申告書」を納税地の税務署に平成20年3月17日(月)までに提出します。

給与所得者で所得税確定申告書を提出しない方は、「平成20年度特別区民税・都
民税住宅借入金等特別控除申告書」をお住まいの役所に提出します。

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例) 課税される所得金額300万円(申告書Bの26番)、
平成14年に住宅を5,000万円で取得し控除適用開始、
平成19年12月31日の借入残高2,500万円 居住割合100%

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<住宅借入金等特別控除>
2,500万円(住宅取得費と借入残高の少ない方)×0.01=25万円・・・(A)

<平成18年度税率での計算>
300万円(課税される金額)×10%=30万円・・・(B)
30万円(B)-25万円(A)=5万円(旧税率での税額)(C)

<平成19年度税率での計算>
300万円(課税される金額)×10%-97,500円=202,500円・・・(D)
202,500円(D)-25万円(A)=0円(新税率での税額)(E)

25万円(A)-202,500円(D)=47,500円(引ききれない税額)

上記を申告することにより、住民税から差引くことができます。

杉並区の場合、47,500円の3/5の28,500円が特別区民税分で残りの2/5の
19,000円が都民税分となります。

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Q.平成19年に自宅を購入し、住宅借入金等特別控除を適用します。
しかし、税額よりも控除額が多く、控除が引ききれませんでした。
「平成20年度特別区民税・都民税住宅借入金等特別控除申告書」を提出する
必要はありますか。

A.この制度を適用できる方はは18年以前に住宅借入金等特別控除を適用
している人です。残念ですが適用できません。

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申告納期限は所得税は20年3月17日(月)、消費税は20年3月31日(月)です。
当会では、所得税申告指導会は3月17日(月)まで、消費税指導会は3月19日
(水)から31日(月)(土・日・祭日を除く)までです。

申告・納税をお忘れなく。