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複式簿記 4
超簡単!税情報 2005年6月20日発行(第142号)
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□□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□
発行元:社団法人 杉並青色申告会 2005/6/20 No142 読者数:4425
https://www.aoiro.org/
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皆さん、こんにちは。すっかり梅雨に入り、ジメジメした日や梅雨冷めの日な
ど体調を崩しやすい毎日ですがいかがおすごしですか?おかげさまで当会の社
団法人設立10周年、青色申告会結成55周年の記念式典も13日、無事終了いたし
ました。ご出席いただいた皆様方ありがとうございました。20周年、30周年に
向けて一歩づつ歩んで参りたいと思います。
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┃■身近な税の話 「複式簿記 4」 ┃
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今回も前回に引き続き複式簿記の記帳方法についてお話します。
前回の仕訳ができると次は元帳への転記をしなければなりません。
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総勘定元帳
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各勘定科目毎にページを作成し、勘定科目別に転記し、月別に集計をしていき
ます。
各勘定科目を詳しく理解していないと、記帳や転記の誤りを起こしかねませ
ん。まずは 勘定科目についてご説明いたします。
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勘定科目について
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勘定科目とは、記帳する時に取引の内容、性格ごとに判断する分類です。
内容、金額、期間等によりどの科目になるか判断します。
また、その勘定科目の分類は大きく分けて
ア)資産
イ)負債
ウ)元入
エ)収入
オ)経費
の5種類に分類されます。
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ア)資産(プラスの財産)
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1)現金・・・事業用の現金の他、他人振り出しの小切手や郵便為替証書等
2)預金・・・事業用の当座預金、普通預金、定期預金等
3)受取手形・・・売上代金等を後日一定の日に受け取ることを約束した証券
4)売掛金・・・売上代金等を後日受け取る約束で販売した代金請求権
5)棚卸資産・・・販売目的で仕入れた商品等在庫高
6)建物・・・店舗や事務所等の事業用の建物
7)建物付属設備・・・使用可能期間が1年以上又は取得価格が10万円以上の建
物に付随する給排水設備や電気設備等
8)機械装置・・・使用可能期間が1年以上又は取得価格が10万円以上の製造機
械等
9)車両運搬具・・・使用可能期間が1年以上又は取得価格が10万円以上の自動
車やオートバイ等
10)工具器具備品・・・使用可能期間が1年以上又は取得価格が10万円以上の
事務機器や家具、備品等
11)開業費・・・開業までに要した費用。
12)土地・・・自己所有の事業用の土地
13)事業主貸・・・事業用の資金から支払った経費にならない家事上の支出、
生活費等や商品の家事消費等
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イ)負債(マイナスの財産)
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1)支払手形・・・商品や原材料の買い入れ代金を後日一定の日に支払うことを
約束した証券
2)買掛金・・・商品や原材料の買い入れ代金を後日支払う約束で買い入れた代
金支払義務
3)借入金・・・事業用資金を銀行や他人から借り入れた場合の返済義務
4)未払金・・・買掛金以外の支払義務が確定した債務
5)預り金・・・従業員から預かった源泉税等
6)貸倒引当金・・・貸倒損失の見込み額として売掛金や受取手形等の期末残高
に一定の割合を乗じた金額
7)事業主借・・・事業主が事業用に繰り入れた事業資金や預金の利息等
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ウ)元入
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1)元入金・・・資産の総額から負債の総額を差し引いた残高
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エ)収入
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1)売上・・・商品の販売代金や提供したサービスの代金
2)雑収入・・・事業活動に付随して発生した空箱、作業くず等の売却代金
3)自家消費・・・棚卸資産を家事や事業のために消費した金額
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オ)経費
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1)仕入れ・・・販売する目的で購入した商品や原材料の代金
2)租税効果・・・事業用の建物や土地にかかる固定資産税や事業税、青色申告
会や組合の会費
3)荷造運賃・・・商品等の発送にかかった発送料等
4)水道光熱費・・・事業用に使った電気、ガス、水道代
5)旅費交通費・・・事業用に使用した鉄道、バス、タクシー等の費用
6)通信費・・・事業用のハガキ、切手、電話代
7)広告宣伝費・・・新聞や雑誌の広告料、チラシの印刷代、大売出しの景品
等
8)接待交際費・・・事業用に直接必要な得意先への接待費用や慶弔費用、中
元や歳暮の費用
9)損害保険料・・・商品や建物等の事業用の資産当に対する保険料
10)修繕費・・・事業用の資産や備品等の修理にかかった費用
11)消耗品費・・・使用可能期間が1年未満又は取得価格が10万円未満の備品
の購入費用
12)減価償却費・・・事業用の資産建物、付属設備、車両運搬具、工具器具備
品等)を取得するために支出した金額をその年だけの経費とはせず、その資
産が事業に使用されている間収入を得るために使用される期間)の経費とし
て配分された金額
13)福利厚生費・・・従業員の社会保険等のうち事業主負担分や従業員の慰安
にかかった費用
14)給料賃金・・・従業員に支払った給与、賞与等
15)利子割引料・・・事業用の借入金の利息等
16)地代家賃・・・事業用の土地、店舗、事務所等についての賃貸料
17)貸倒金・・・売掛金等の事業債権のうち、得意先の倒産等で回収不能とな
った金額
18)外注費・・・業務の一部を外部に委託し支払った費用
19)雑費・・・発生がまれで他の経費科目にあたらない費用
20)車両関係費・・・ガソリン代、修繕費、損害保険料等の自動車にかかった
費用
21)専従者給与・・・青色事業専従者に支払う給与
(注)必要経費には、事業用と家事用があり、決算時に按分により振り返ること
もできます。
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Q.先日、自動車税を支払いました。この場合の勘定科目はどのようにすれば
よいですか?
A.「租税公課」又は「車両関係費」がよいと思います。ただ、車を事業用と
家庭用に兼用している場合は、自動車にかかる経費の按分が必要となります。
この場合だと車にかかる経費の全てを車両関係費に計上しておくと、決算修正
の時に便利だと思います。しかし、消費税の課税事業者で本則(一般)課税を選
択している人は、「車両関係費」の中にどれだけ「自動車税」を含む「非課税
取引」が含まれているか問題になります。
ご自分の状態にあわせて記帳をすると良いでしょう。
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Q.事業預金から生命保険料を支払いました。その場合はどの科目で経費にな
りますか?
A.生命保険の支払は、直接事業に関係がありませんので、経費とはなりませ
ん。ただ、事業預金から支払った場合には記帳が必要となります。その場合
は、「事業主貸」という資産の科目で記帳します。ただし、確定申告書で「生
命保険料控除」になります。
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次回は総勘定元帳の記入の具体例についてお話します。
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東京国税局長より設立許可を受けている公益団体です。
役員は会員の中から選ばれ、ボランティアで会の運営にあたっています。
会員の疑問や相談に応じるため事務局に職員をおき、
税金問題をはじめ、様々な相談に応じています。
主な会員層は小規模事業者であり、記帳指導をはじめ、
税務・法律・経営・金融・労務ほか旅行・共済などの福利厚生事業も
幅広く行っています。
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