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住民税 2
超簡単!税情報 2004年7月25日発行(第108号)
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□□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□
発行元:社団法人 杉並青色申告会 2004/7/25 No108 読者数:4108
https://www.aoiro.org/
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皆さん、こんにちは。全国各地で異常気象が続いています。東京では40度にな
ったり、新潟や福井等では大雨に見舞われたり。暑い夏は景気が良くなると言
われ、アメリカでも金利を引き上げる観測がでていますが、当会会員である個
人事業者は好況感が依然としてないのが実態です。早く日本全体が順調な経済
成長の方向に向かうことを望みます。
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┃■身近な税の話 「住民税 2」 ┃
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今回も杉並区を例に取り、お話したいと思います。基本的なしくみは大きく変
わらないのですが、細かい部分で異なる市町村もあります。ご注意下さい。
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所得金額
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所得税と同様に、「事業所得」「不動産所得」「利子所得」「配当所得」「給
与所得」「譲渡所得」「一時所得」「雑所得」「山林所得」「退職所得」があ
ります。所得金額の計算方法についても原則所得税と同様です。
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所得控除
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所得税の控除と同様に各種控除がありますが、金額が異なるものもあります。
<雑損控除>
住民税 所得税
損失額(※)-(所得金額の合計×10%) 住民税と同じ
又は損失額(※)のうち災害関連支出-5万円の
いずれか多い額
※損失額は保険金等で補填される金額を除きます。
※今回の新潟等の水害については雑損控除が適用できます。
<医療費控除>
住民税 所得税
支払った医療費(※)-(10万円又は所得金額の 住民税と同じ
合計額の5%いずれか少ない額)
<社会保険料控除>
住民税 所得税
支払った額 住民税と同じ
<小規模企業共済等控除>
住民税 所得税
支払った額 住民税と同じ
<生命保険料控除>
住民税 所得税
一般分最高35,000円 最高50,000円
年金分最高35,000円 最高50,000円
<損害保険料控除>
住民税 所得税
最高 10,000円 最高15,000円
(短期のみの場合は最高2,000円) (短期のみの場合は最高3,000円)
<寄附金控除>
住民税 所得税
(特定寄附金の支出額と所得金額の合計額の 左の(A)-1万円
25%のいずれか少ない額)(A)-10万円
※所得税では「寄”付”金控除」で、住民税は所得税に比べ寄”附”金の対象
となる範囲が狭いです。
<障害者控除>
住民税 所得税
一人につき26万円 27万円
特別障害者は1人につき30万円 40万円
<老年者控除>
住民税 所得税
48万円 50万円
※住民税は18年度から、所得税は17年分から廃止されます。
<寡婦(寡夫)控除>
住民税 所得税
寡婦(寡夫) 26万円 27万円
特定の寡婦 30万円 35万円
<勤労学生控除>
住民税 所得税
26万円 27万円
<配偶者控除>
住民税 所得税
一般 33万円 38万円
同居特別障害 56万円 73万円
70歳以上 38万円 48万円
同居特別障害 61万円 83万円
<配偶者特別控除>
住民税 所得税
最高 33万円 最高38万円
※住民税は平成17年度から、所得税は平成16年分から「配偶者控除」との
重複適用は廃止となります。
<扶養控除>
住民税 所得税
一般 33万円 38万円
同居特別障害 56万円 73万円
特定扶養親族 45万円 63万円
同居特別障害 68万円 98万円
70歳以上 38万円 48万円
同居特別障害 61万円 83万円
70歳以上の同居親族 45万円 58万円
同居特別障害 68万円 93万円
<基礎控除>
住民税 所得税
33万円 38万円
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例)本人(50歳)、所得金額の合計が500万円、配偶者(45歳)所得0円、子供
2人17歳と14歳 社会保険料控除50万円の場合の住民税と所得税の税額は?
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<住民税>
50万円(社会保険料控除)+33万円(配偶者控除)+45万円(特定扶養控除)
+33万円(一般扶養控除)+33万円(基礎控除)=194万円(所得控除の合計)
・・・(1)
500万円(所得の合計)-194万円(1)=306万円(課税される所得金額)
・・・(2)
306万円(2)×2%(都民税の税率)=61,200円(都民税税額)
・・・(3)
306万円(2)×8%(特別区民税の税率)-10万円=144,800円(特別区民税税額)
・・・(4)
(61,200円(3)+144,800円(4))×15%(定率減税)=30,900円(定率減税額)
・・・(5)
61,200円(3)+114,800円(4)-30,900円(5)=145,100円(所得割税額)
・・・(6)
145,100円(6)+4,000円(均等割税額)=149,100円(合計住民税額)
<所得税>
50万円(社会保険料控除)+38万円(配偶者控除)+63万円(特定扶養控除)
+38万円(一般扶養控除)+38万円(基礎控除)=227万円(所得控除の合計)
・・・(1)
500万円(所得の合計)-227万円(1)=273万円(課税される所得金額)
・・・(2)
273万円(2)×10%(所得税の税率)=273,000円(所得税税額)
・・・(3)
273,000円(3)×20%(定率減税)=54,600円(定率減税額)
・・・(4)
273,000円(3)-54,600円円(4)=218,400円(所得税額)
住民税は賦課課税制度のため、区役所から送付せれた納税通知書にもとづき
4期(給与所得者の特別徴収は毎月)に支払うため税額が分かりにくいですが、
所得税と比較しても決して少なくない金額を納めています。
また、所得税を節税することは、住民税も節税することになりますので、こ
のメルマガ等で勉強して節税に努めて下さい。節税についてはまた改めて詳
しくご説明したいと思います。
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Q.平成16年7月末に退職する予定ですが、今まで給与から住民税は差し引か
れていました。退職後の住民税の支払はどのようになりますか?
A.平成16年度の住民税は平成15年分の所得に応じて課税されます。また、
平成16年度分は特別徴収(給与からの天引き)の場合は6月から翌年5月まで
12回に分けて納めます。
しかし、平成16年7月に退職すると8月分から翌年5月分までは(1)普通徴収
となり、自分で納める又は(2)退職時に残りの税額を会社から一括して納める
ことができます。
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次回は住民税の続きについてお話します。
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主な会員層は小規模事業者であり、記帳指導をはじめ、
税務・法律・経営・金融・労務ほか旅行・共済などの福利厚生事業も
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