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住民税 1
超簡単!税情報 2004年7月18日発行(第107号)
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□□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□
発行元:社団法人 杉並青色申告会 2004/7/18 No107 読者数:4097
https://www.aoiro.org/
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皆さん、こんにちは。先週の日曜日(7/11)は当会の月に1度の土曜、日曜の営
業日なので出勤していました。日曜日の電車は空いていて、非常に楽でした。
また、行き交う人々は休みを楽しんでいる人が多く、ほのぼのします。参議院
選挙の日と重なり、来所される方も少なく、非常に仕事が捗った一日でした。
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┃■身近な税の話 「住民税 1」 ┃
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先日、会員さんから質問を受けたのですが、区役所から老人保健についての書
類がきたので、どうすれば良いか?という内容でした。役所から提供されるサ
ービスは住民税が関係するものが多く、その仕組みを理解することが大切です
。所得税と仕組みが似ているのですが、異なる部分もあるので今回から数回に
分けて杉並区を例に取り、ご説明したいと思います。
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個人住民税とは
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都道府県民税(東京都では都民税)と市町村税(東京23区では特別区民税)を併せ
たものを住民税といい、個人に対して課税する住民税を個人住民税といいます
。住民税には、前年の所得に応じて課税される「所得割」と、所得金額にかか
わらず定額で課税される「均等割」があります。(この他に都民税のみに課税
される「利子割」「配当割」「株式等譲渡所得割」等があります。)
※法人の住民税も都民税と市町村民税からなり、それぞれ「法人税割」と「均
等割」があります。
※所得税には「均等割」はありません。
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個人住民税の納税義務者
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(1)1月1日現在杉並区(杉並区の場合)に住所がある者
→均等割と所得割を納めます。
(2)1月1日現在、杉並区に事務所等を持っている者で杉並区に住所がない者
→均等割のみ納めます。
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住民税の申告は?
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所得税の確定申告をした者や給与所得又は公的年金等からの所得のみのものは
申告の必要はありませんが、その他の者は1月1日から12月31日までの所得を翌
年3月15日までに、翌年1月1日現在の住所地の市区町村に申告します。
※住民税は賦課課税制度ですので、納税は区から送られてくる納税通知書にも
とづいて行います。
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納める税額
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<所得割>
課税所得金額(総所得金額-所得控除額計)×税率(※1)-税額控除(※2)-定率減
税(※3)
(※1)
課税所得金額 都民税の税率 特別区民税の税率
200万円以下 2% 3%
200万円超700万円以下 2% 8%
の部分の金額
700万円超の部分金額 3% 10%
(※2)
配当控除と外国税額控除があります。
(※3)
個人住民税所得割の金額の15%が定率減税されます。ただし、都民税と特別区
民税を合わせて4万円が限度額となります。
<均等割>
4,000円 (1,000円(都民税)+3,000円(特別区民税))
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納期限
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<普通徴収>
納税者本人が自分で納める方法
年4回、(6月、8月、10月、1月)
<特別徴収>
給与所得者で給与から差し引き、給与支払者が納める方法
年12回、(毎年6月から翌年5月まで)
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Q.平成15年に給与額500万円、配偶者(所得 0円)あり、社会保険料支払 47万
円の場合の住民税と所得税の税額を教えて下さい。
A.
<住民税>
500万円(給与額)-154万円(給与所得控除額)=346万円(総所得金額)=(1)
47万円(社会保険料支払額)+33万円(基礎控除額)+33万円(配偶者控除額)
+33万円(配偶者特別控除額)=146万円(所得控除額計)=(2)
346万円(1)-146万円(2)=200万円(課税所得金額)=(3)
200万円(3)×2%(都民税の所得割税率)=40,000円(都民税所得割税額)=(4)
200万円(3)×3%(特別区民税の所得割税率)=60,000円(特別区民税所得割税額
)=(5)
40,000円(4)+60,000円(5)=100,000円(所得割税額計)=(6)
100,000円(6)×15%(定率減税率)=15,000円(定率減税額)=(7)
100,000円(6)-15,000円(7)=85,000円(所得割税額)=(8)
1,000円(都民税)+3,000円(特別区民税)=4,000円(均等割税額計)=(9)
85,000円(8)+4,000円(9)=89,000円(平成16年度住民税額)
<所得税>
500万円(給与額)-154万円(給与所得控除額)=346万円(総所得金額)=(1)
47万円(社会保険料支払額)+38万円(基礎控除)+38万円(配偶者控除)
+38万円(配偶者特別控除)=161万円(所得控除額計)=(2)
346万円(1)-161万円(2)=185万円(課税所得金額)=(3)
185万円(3)×10%(所得税の税率)=185,000円(所得税額)=(4)
185,000円(4)×20%(定率減税率)=37,000円(定率減税額)=(5)
185,000円(5)-37,000円(5)=148,000円(平成15年分所得税額)
※平成16年3月15日までに納付する。
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次回は住民税の続きについてお話します。
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