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個人事業者のための消費税5~実際の納付額の計算~

超簡単!税情報 2003年8月31日発行(第63号)

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   □□□「超簡単!税情報 初心者のための税のいろは」□□□

発行元:社団法人 杉並青色申告会 2003/8/31No063  読者数:2124
https://www.aoiro.org/

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皆さん、こんにちは。この夏は暑かったり寒かったりはっきりしない気候でし
たね。この夏の天気予報でも「観測史上」という言葉が多く使われていました。
しかし、気象観測の歴史はそんなに古いものではないようです。17世紀半ばに
パリやロンドンの天文台で行われ、日本では明治になってから始められました。
1959年に大型コンピューターを導入し、1965年に富士山頂に気象レーダーが設
置されてより正確な数値予報ができるようになったそうです。

そう考えると観測史は人類の足跡や地球の歩みに比べるとまだまだ浅く、「観
測史上初」は驚くべきことでなく、長い地球の歴史の中では起こりうることな
のかもしれません。

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┃■身近な税の話「個人事業者のための消費税5~実際の納付額の計算~」 ┃
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前回に引き続き個人事業者の消費税についてお話します。

○具体的な納付額

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例1)
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売上げ金額(税込み)・・・3,360万円(うち非課税売上0円)
仕入等の経費金額(税込み)・・・2900万円(うち非課税仕入380万円)

<売上げに係る消費税額>

3,360万円 ×4/105=128万円

<仕入れに係る消費税額>

{2,900万円-380 万円(非課税)}×4/105=96万円

<納付税額>

128万円-96万円=32万円(消費税(国税))

32万円×25%=8万円 (地方消費税)

32万円+8万円=40万円(納付すべき消費税額)

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○「売上げ総額」に占める課税売上高の割合

「売上げ総額」のうちに占める「課税売上高」の割合が95%以上の時と95%未
満の時には、「売上げに係る消費税額」から控除する「仕入れに係る消費税額」
の計算方法が異なります。

・課税売上割合(※)が 95%以上の時

「仕入れに係る消費税額」全額を課税売上高に係るものとみなして「売上げに
係る消費税額」から控除することができます。

※「課税売上割合」とは

課税売上割合=課税売上高 (税抜)/(課税売上高(税抜))+非課税売上高)

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例2)
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売上げ金額(税込み)・・・3,560万円(うち非課税額200万円)

3,560万円-200万円=3,360万円(課税売上高(税込み))
3,360万円×100/105=3,200万円(課税売上高(税抜))
3,200万円/(3,200万円+200万円)=0.941(94.1%)

・課税売上割合が95%未満の時

「売上げに係る消費税額」から控除する「仕入れに係る消費税額」の計算方法
には2つあります。

1.個別対応方式

仕入れに係る消費税額を次の3つに区分します。

(a)課税売上げに対応するもの
(b)非課税売上げに対応するもの
(c)課税売上げと非課税売上げに共通して対応するもの

控除税額=(a)+ (c)×課税売上割合

2.一括比例配分方式

控除税額= (a+b+c)×課税売上割合

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例3)
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売上げ金額(税込み)・・・4,160万円(うち非課税売上800万円)
仕入等の経費金額(税込み)・・・2900万円(うち非課税仕入380万円)
課税仕入れ2,520円(2,900万円-380万円)のうち
(a)課税売上げに対応するもの・・・1,260万円
(b)非課税売上げに対応するもの・・・210万円
(c)課税売上げと非課税売上げに共通して対応するもの・・・1,050万円

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1.個別対応方式
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4,160万円-800万円=3,360万円(課税売上高(税込))
3,360万円×100/105=3,200万円(課税売上高(税抜))
3,200万円/(3,200万円+800万円)=0.8(80%)
課税売上割合=80%

3,360万円 ×4/105=128万円(売上げに係る消費税額)

仕入控除税額=1,260 万円×4/105+(1,050万円×4/105×80%)=80万円

128万円-80万円=48万円(消費税額(国税))
48万円×25%=12万円(地方消費税)
48万円+12万円=60万円(納付すべき消費税額)

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2.一括比例配分方式
───────────────────────────────────

4,160万円-800万円=3,360万円(課税売上高(税込))
3,360万円×100/105=3,200万円(課税売上高(税抜))
3,200万円/(3,200万円+800万円)=0.8(80%)
課税売上割合=80%

3,360万円 ×4/105=128万円(売上げに係る消費税額)

仕入れ控除税額=2,520万円×4/105×80%=76.8万円
128万円-76.8万円=51.2万円(消費税額(国税))
51.2万円×25%=12.8万円(地方消費税額)
51.2万円+12.8万円=64万円(納付すべき消費税額)

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Q.個別対応方式と一括比例配分方式は選択できますか?

A.はい。課税売上割合が 95%未満の時どちらかを選択することになります。

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Q.個別対応方式から一括比例配分方式へ、一括比例配分方式から個別対応方式
への計算方法の変更はできますか?

A.個別対応方式から一括比例配分方式への変更はいつでもできます。しかし一
括比例配分方式から個別対応方式への変更は一括比例配分方式を2年以上継続
して適用していないと変更はできません。

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次回は課税売上げの注意点についてお話します。

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